サウンドデンのお客様紹介


 

広島県 津田様

その1 | その2

■その1

 私が学生の頃、福岡のオーディオ店で211という真空管を使ったアンプを購入したのが、サウンドデンさんとのお付き合いの始まりでした。

 当時私も、オーディオ店の言われることや雑誌に書いてあることをとても素直に信じる好青年で、JBL4343にマッキントッシュのアンプというステレオサウンドもご推薦のシステムを使っていました。しかし、マッキントッシュが半分以下の価格の真空管アンプの音の足もとにも及ばないという経験は、素直だった私には衝撃でした。以来、オーディオ店の言うことや雑誌に書いてあることがすっかり信じられなくなり、今の私が素直でないのも藤本さんのおかげだと思っています。
 
 その頃、藤本さんも30歳を過ぎた頃だったと思いますが、今よりもちょっとコワ面のお兄さんで、この人がどうしてこんなアンプが作れるのだろうと不思議でした。
 後日藤本さんに聞くと、あのアンプの音が良かったのは真空管が良かったからではなく、部品を吟味してきちんと手配線で作ってあるからで、トランジスタアンプでも質の悪いプリント基板を使わずにきちんと作ればよい音がするはずと言われていました。その藤本さんの姿勢は現在でも変わらず、最新のデジタルアンプも中を見てみると当時の真空管アンプの作りを思い出すことができます。

 当時のお店の方は紙屋町サンモールの4階にあり、ご存じの方も多いと思いますが、中古のスピーカーを積み上げて隣のお店との壁にしているような、ジャンク屋さんの雰囲気がぷんぷんとするお店でした。
  お店の小さな冷蔵庫には銀色の缶チューハイがたくさん入っていて、電熱器の上に網をのせて焼鳥やスルメを焼きながら、お客さんにチューハイを勧めるような、とても楽しいお店でした。
  そんな”焼き鳥ショップデン”に、夏休みともなると足繁く通ったものです。

  大学を卒業し、広島大学病院に勤めることになり広島に帰った頃、サウンドデンもサンモールの5階に移り、新品の商品が置いてあるような綺麗なお店になって、焼き鳥を焼いたりチューハイを飲むこともなくなりました。

 その後、県内の病院を数カ所転勤し、結婚もして子どももでき、オーディオシステムもCD再生だけのこぢんまりしたものになりましたが、小型スピーカーの定位の良さは部屋の影響も受けにくく、使いやすいものでした。
 10年前、父のあとを継いで耳鼻咽喉科医院を開業する頃、システムもCDP X5000、YAL、パッシブアッテネーター、藤本さんお手製のMOS FET DCアンプ、ウイルソンオーディオの同軸スピーカー、オール銀線のシステムになり、達観してしまったというか満足してしまいました。

  他の趣味も忙しいこともあって、ほとんどデンさんに足を運ぶこともなくなりましたが、折りにつけ取って食うわけではないから遊びにおいでと言われつつ10年近くがすぎてしまいました。

  今年のお正月、好きだった父を亡くし、遊ぶ気力をなくしていたときに父の好きだった音楽をゆっくりと聴くようになりました。藤本さんにも父を亡くした報告にと、久々にサウンドデンに足を運び、しっかりと慰めていただきました。しかし、そこでジョセフオーディオを聴かせていただいたのが運の尽きというか、しっかり取って食われるはめになってしまいました。

 私は、CDの再生において、レンジの広さよりも定位を気にしてきました。
  アンバランスなワイドレンジは、聴いていても不快で嫌な汗が出てきます。
  レンジが多少狭くても定位のわかりやすい音が好きでした。
  ずっと以前、大型のスピーカーで苦労した反動だろうと思いますが、フルレンジか2ウエイ、2ウエイなら同軸が理想と考えていました。

  ジョセフオーディオのパールは3ウエイ、しかもバッフルを多少上に向けても振動板の位置は揃わんだろうと思っていました。ところが、聴いてみると揃っている、恐ろしくワイドレンジでユニットのつながりもスムースで上から下まで音色の違和感もない、音のスピード感が凄く、同じシステムにつないでも、こんなに音の情報量に違いがあるのかと驚かされました。

  自分のシステムからこんな音が出るなんて、今までなんてもったいないことをしていたのだろうと、思わず藤本さんにお礼を言ったくらいです。


  そんなシステムもアンプをデジタルに、電源トランスをアモルファスにと、どんどん進化しています。その進化をパールは面白いように表現してくれます。

  自分一人の殻の中で黙々と聴くだけのシステムなら、とっくに満足してしまいそうですが、今度は新しいオーディオ仲間のみなさんにもいつかは聴いてもらえるように、またどこまで進化できるか取り組んでみようと思っています。


津田さんは開店以来お付き合い戴いているお客様である。
彼が大学生の頃に福岡でお会いしてから二十数年、正にサウンドデンの歴史を全てご存知の方だ。
ここ十年はブランクがあったものの、最近オーディオに復帰されてからは矢継ぎ早に最新デバイスを導入戴いている。

ご愛用のラインナップ
ESOTERIC 
P-0S/D-Clock→YAL-YFD18→DENTEC-TVC-A→ROWLAND/RESCERCH-MODEL5/NCD1→JOSEPHAUDIO PEARL DENTEC IPT4000A CMSケーブル

全てをサウンドデンの言う通りでは嫌という性格は今も変わらないが、聴いてしまったら最後という最新のディバイスには流石に抵抗出来なかった様である(笑)
最近ASCにも入会され、車 船 模型と多趣味な津田さんも、オーディオと向き合う時間が増えられた様だ。

by 藤本光男

 

■その2

前回、お客様紹介に載せていただいて2年半が過ぎてしまいましい、そろそろ記事を更新してはというお話をいただきました。

アナログレコードをやっていた者としては、どうしても四角い箱のCDトランスポートにはなじめず、P-0を使い続けています。
P-0を使っているユーザーのお宅に、最新のクロックを積んだ廉価なCDトランスポートを持ち込んで、ギャフンと言わせるのが藤本社長の趣味なのですが、P-0もクロックを積み替えると本領を発揮し、どの四角い箱のトランスポートにも負けない銘機だと思っています。

DAコンバーターは相変わらずYALですが、昨年春にデジタルセパレーターを導入して、非同期型の左右チャンネル独立の2階建て仕様になっています。
コンバーター電源の負担軽減、左右チャンネルのセパレーション向上、そしてセパレーターのクロックによるジッターの軽減により、YAL特有の線のしっかりした音そのままに、より豊かな響きと音場がひろがるようになりました。
その後導入した光ボリュームもOPユニット2基をコントロールユニットにパラレルに接続し、デジタル信号段階で左右に分離された信号は同じ基板を流れることはなく、完全にセパレートされた状態でスピーカーに送り込まれています。

スピーカーはジョセフオーディオのパールからウイルソンオーディオのシステム6フルチューンを経て、昨年末からオリジナルノーチラスを使っています。
昨年末、サウンドデンにノーチラスが入荷するとのことで、珍しいもの見たさ、聴きたさで、すぐに聴きに行きましたが、ウイルソンもよく鳴っており、ノーチラスを導入することになるとは夢にも思っていませんでした。
入荷したノーチラスは、お店でたまたま使っていなかったNCDのステレオアンプ4台を純正のチャンネルディバイダーにつないだ状態で鳴っていました。
しかし、ノーチラスの前に座った私は動けなくなってしまいました。
今までどのスピーカーでも聴いたことの無いような音像が、空間に存在していたのです。
ステレオなので空間に音像ができるのは当たり前?の話なのですが、実在感が桁違いに高いのです。
NCDアンプとはいえ、電源のトランスも揃ってない寄せ集めをポンとつないでこの音です。
もちろんサウンドデンのシステムですので、そのへんのシステムとは比較になりませんが、オリジナルノーチラスの素性の良さをこれでもかと訴えてくるようで、ピアノ運送に運んでもらうから送料は別だよ、と言われても断ることができませんでした。
いままでのオーディオ人生でも、こんなスピーカーとの出会い方をしたのは初めてです。
ノーチラスを自宅のオーディオルームに納めて半年以上経ちますが、電源トランスをデジタル系とアナログ系に分けたくらいで、ひたすら聴き込んでいます。
4ウエイユニットのつながりもまったく違和感が無く、このようにレンジの広いフルレンジはあるはずがありませんが、それでもあえて言えば、高音から重低音までフルレンジのようなつながりの良さです。
今までチャンネルディバイダーがあまり評価を得なかったのは、パワーアンプの入出力の位相の違いに個体差があり、チャンネルが増えるほど音を悪くしていたのではないでしょうか。
両チャンネルの各ユニットの位相がきちんと揃っているためか、ヘッドホンを聴いている時のような正確な音像が、頭の中ではなく目の前の広い空間に出現します。

ローランドリサーチ(現ジェフローランド)のパワーアンプも箱の側面をステンレスの板に換えられ、そこに手巻きの特性トランスが固定されています。
箱の中身は容積のほとんどを大型のフィルムコンデンサーが占めており、4系統の電源を8チャンネルのNCDユニットに給電しています。
8個のNCDモジュールはもう箱に入りきらず、4個ずつ10mm厚のアルミ板に固定され、ラックの裏の左右に置かれています。
電源には音を鈍らせる電解コンデンサーは一切使われていません。
そのため、スピード感、アタック感が大変優れた音で音像の空間合成がなされており、レンジの広さ、情報量の多さも申し分ありません。

P-0、YAL、ローランドリサーチ、オリジナルノーチラスと、ほとんどビンテージ? といえるようなラインアップですが、オーディオも道具としての愛着を持ち、使い続けることができればと思っています。
オーディオを長くされている方の装置を聴かせていただくと、最新の装置ではなくても、その方の為人を表現しているような鳴り方で、とてもうらやましく思うことがあります。
私もしっかり鳴らし込み、聴き込んでいき、自分なりの音を仕上げていこうと思っています。
しかし、そんな贅沢を言えるのもサウンドデンの技術力のおかげですし、自分の求める音に到達する近道がサウンドデンにはあると思います。


何事にも深く追求される津田さんである。
10年のブランクから復帰されてからは、凄いスピードで駆け上がられ、現在は小休止状態なので紹介No2をお願いする事にした。

ここ2〜3年でスピーカーがウィルソンCUB→ジョセフPearl→ウィルソンSYSTEM6/フルチューン→B&W Original Neutirusと矢継ぎ早に入替となった津田さんだが、まるで10年のブランクを取り戻そうとされているかの様だった。
ただ、津田さんが他の人と違うのは、その製品をちゃんと消化されて次に移られている事である。

私はオリジナルノーチラスは早過ぎたスピーカーでは無いか?と思っている。
何故なら、フィルター回路の位相が管理されているディジタルアンプであれば、それこそ赤子の手を捻る程簡単に鳴ってしまうからだ。
逆に如何に高価なアナログアンプを持って来ても、まずまともに鳴りはしない。
これの開発者は既にB&Wを離れ、逆戻りのネットワークでスピーカーを作っていると聞くが、津田さんの音を聴かせたら、これが俺が出したかった音だと言うに違いない。

オリジナルノーチラスのオーナーで、その真髄を確かめたい方が居られたらどうぞ私へ連絡してください。
広島まで来られる気が有れば、津田さんに試聴させて戴く様にお願いしてみます。

by 藤本光男




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