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XO導入時にも音の違いに驚き、クロックの重要性を認識させてもらったが、 今回のD−Clockはその比では無い。 よくアンプの評価でスピーカーの制動 力が優れていると表現される場合があるが、このクロックはシステム全体を 制動しているように感じる。分かり易く言うと、鳴らないスピーカーを鳴ら してしまうのである。 あるべきものをあるがままに表現すると言ったほうが 適切かも知れない。 リンダロンシュタットがネルソンリドルと競演したスタ ンダードナンバーの3部作では、うっとりするような余韻のある演奏の中心 にリンダのボーカルがぽっと浮きでて、楚々と、そして伸びやかに響きわた り、時の立つのを忘れてしまう。 ソニーがSBM(スーパービットマッピング) の宣伝用に製作したSBM SPECIAL EDITION−AUDIO EDITIONに収録されている化転−打・管・弦〜破の結/山本邦山、藤舎呂悦では、 今まで、左奥に鼓があり、右尺八が右手前に位置していることは分かったが、 音像がより小さく定位し、余韻が自然なため、演奏者の前後位置や演奏空間 の大きさが明瞭に表現される。 この演奏はどうか、あのボーカルはどんな ふうに聞こえるかと、気に入ったCDをすべて聞き直している状態である。 我が家では、中低域の表現力と楽器のピッチの問題から、LPを聞くことは 少なくなっているが、音の入口となるカートリッジを交換することで、音色 の変化を楽しむことはできた。しかし、本質的な変化を求めようとすると、 土台となるプレーヤー、アーム等に投資し、使いこなしを要求される。 ディジタルでは当初、プレーヤーによる音の差は少ないとされたが、実際に はそれなりの機器でなければ一定以上の満足は得られないと分かった。 最近では、比較的低価格の機器でも、音は良くなっているようであるが、 やはり、本質的な改善を求めようとすれば、かなりな投資が必要である。 ところがである。このクロックを使用すれば、クロックと同額のプレーヤー でも、その何倍もするプレーヤーより音の本質的改善を図れると考えられる のである。部品と考えれば高価かもしれないが、得られる効果は述べた通り であり、コンポーネントを含め、ここ数年で発売されたオーディオ機器の中 で、最もコストパーフォーマンスの高い製品ではないかと思う。 D−Clockを引き取るため、久々に訪れた店内で、クロック交換されたプレ ―ヤーで鳴っていた鳴らないはずのアバンギャルドが奏でるノラジョーンズ の歌声が耳に残っている。
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河岡様は熱心なマニアだ。 技術的にも明るいので入り口から 出口までご自分でチューニングされ、D/Aコンバーターは自作されている。 だから、装置全体を見渡しても、問題箇所はクロックのジッターしかなかったのだ。 しかし、旧タイプのL-Clockを使われていたのだから、市販品レベルの問題があった訳ではない。 それが今回頂いたレポートの様に激変したのだから、D-Clockの底力は尋常ではないのである。 CDが開発されてから20年、我々はD-Clockによってやっとアナログと対等に比較できるCDの音を手に入れることが出来た。 我々音楽ファンにとって、これほどの福音があろうか?
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