藤本の辛口コラム
記2009年5月18日 原点復帰!? その1

雑誌などで評判になっているので既にご存知の方も多いと思うが、横浜のVIV LaboよりEvanuiSignatureというスピーカーが発売になった。

私がこれを知ったきっかけは、目黒の20年来のお客様Tさんより紹介されたのであるが、何でも従来のスピーカーとは全く違う鳴り方をするので一度聴いてみたらどうか?というものだった。

この方はオーディオ一筋の頑固親父で、滅多に新製品を誉める事が無い。
そんな人が推薦するのだから余程の物だろう思い、関東出張の際に寄ってみる事にした。

果たして、それは確かに従来のスピーカーとは全く違う鳴り方をしたのである。

しかも、それが8cmのフルレンジ1発なのだから恐れ入った。
そもそも、フルレンジ1発であれば大音量では昆変調歪が発生する筈だが、それが全くと言って良いほど耳に付かない。
それどころか、オールホーンか?と思えるほどリニアリティーが良いのである。

メーカーでは3レスと言っているが、ネットワークは当然としてエッジレス ダンパーレスとは一体何だろう?

その秘密は磁性流体に有るという。
最近では車のサスペンションにも使われる用になったらしいが、オーディオではツィーターの放熱効果を高める目的でしか使われていなかった筈だ。

解説を聞くと、ボイスコイルの部分とエッジの部分にギャップを作り、金属の振動板がギャップの磁性流体で保持されているという。

つまり、液体で振動板が浮いている訳だ・・・

よくもまあ、そんな事を考えたな!
これは絶対に世界特許ものだと思った。

記2009年5月18日 原点復帰!? その1

私がタイトルを原点復帰とした理由は、私自身がフルレンジ一発からオーディオを始めたからに他ならない。
確かCORALの16cmだったと思うが、団塊の世代の方達は概ね同様の経験をされたのではないだろうか?

しかし、若い方達は最初から2Wayや3Wayを使われワイドレンジ再生に慣れている筈である。
ところが最近、むしろフルレンジの音に新鮮味を覚える人が多いという話を耳にする事が多くなった。
一体何故だろうか?

私は、マルチウェイの欠点に人間の脳が拒否反応を示しているのではないかと考えている。

弊社のリファレンスシステムであるTAD R1は、誰に聴かせても納得される音だと自負しているが、これはネットワークを作り変えて始めて出て来た音である。
しかし、如何に優秀な部品を使い方向性の管理を行おうと、多少は電気的な位相の乱れが発生している筈だ。

部品の方向性を管理していない量産メーカーの製品であれば尚更この乱れは酷くなり、 位相ズレに敏感な私には気分が悪くなる程劣悪な状況なのである。

ところで、同じマルチウェイであっても、現代の多くのスピーカーよりダイアトーンの一部や昔のJBLの様にフルレンジ+ツイーターの方が余程音楽が楽しめると思うのは私だけでは無い筈だ。
これらに一致しているのは、紛れも無くコンデンサー1本だけの単純なネットワークであり、音の出だしのアタックが揃っているのである。

この事は一体何を示しているのだろう?
混変調歪みは少ないに越した事はないが、自然界に存在する機械的な歪みより
自然界には存在しない電気的な歪みの方が影響が大きいと言う事ではないだろうか?

そう考えれば、出ては消えて行った今までのスピーカーに対しての説明が付き、これから向かうべき方向が見えてくる様に思うのだ。

原点復帰!?その3

公私共に色々あり、随分間が空いてしまった。

エッジ&ダンパーレスの画期的なスピーカー エバニュイだが、未だに振動板の改良?が行なわれている

フルレンジという単純この上ない構造だけに、チョットした事でゴロゴロ音が変化する。
だから、余程シッカリした基準と音楽観を持っていなければ、誰もが納得するシステムとして纏め上げる事は出来ない。

しかも、音の変化する要素がスピーカーだけではなく、アンプやD/Aコンバーターなどの位相ズレも影響してくるのだから、事は余計に複雑なのである。

こんな時には、録音に立ち会った正に「確認音源」が活躍する訳だが、それも元の音が脳にメモリーされていなければお話にならない。

製作者の秋元さんと会う度に形状が変る振動板を見るにつけ、一生懸命やっているのは解るが、この人は何か勘違いしているのではないか?とさえ思う時がある。
木を見て森を見ずの例えの様に、部分的な音を追求したが故に全体として音楽になっていない事が往々にしてあるのだ。

さて、私が何でこんな事を書くのか?だが、新製品PRIMAが出たからである。
http://www.vivaudiolab.com/evanui_prima.html

このプリマなるスピーカー 丁度シグネチャーとμを足して2で割ったような形をしているが、音も丁度そんな感じなのだ。
μの素直な音の広がりにスケールをプラスしたと言えばお解り頂けるだろうか?

さて、その音質だが・・・
エンクロージャーが合板ではなく単板寄木だけにスピードが速い。
スピードが速くアタックが揃っていると、やはり音楽の表現力が違う!
つまり、「溜め」や「間」やテンポを正確に聞き取れるのである。

試聴機は既に返却してしまったが、新年早々には展示品が入荷するだろう
音質もだが、シグネチャーの半分210万円/ペアーという価格も魅力的だ。

思いっきり鳴らして見せますので、どうぞご期待ください。


■つづく■


 

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