藤本の辛口コラム
記2008年3月14日 銀線について その1

オーディオにおいて、私は銀という素材が一番適していると確信している。
私が最初に銀線に接したのは1970年代に流行ったカートリッジのシェルリードだが、その時は高音のキラキラした色付けが大嫌いであった。
それ以来、私は銀は駄目だと思い込んだのである。
団塊の世代の方達は、おそらく皆さん同じ体験をされたのではないだろうか?

では、何故当時の銀はそんな嫌な音がしたのかを考えてみた。
@純度の低い装飾用の銀を流用した為
A十分な熱処理がされていなかった為
Bエージングが十分でなかった為
以上が考えられる理由であるが、それらが複合的に作用してあんな嫌な音がしていたのだろうと思う。

@については、オーディオ用に純度の高い銀が供給される様になり、現在では問題ない状況となっている。
ケーブル カートリッジ MCトランス トーンアームまで製品化されているのがその恩恵であろう。

ではAについてはどうだろう?
実は、私が銀を見直すきっかけとなったのは、この熱処理なのだ。

北九州のチューニング仲間が、熱処理の方法を検討したら物凄く良くなったと言う。
それではと皆が集まって試聴をしたところ、あの銀の嫌な癖は影を潜め、それまでに
聴いた事の無い鳴りっぷりに集まった全員が驚いたのである。

その製造方法は、銀が溶ける寸前の温度から48時間掛けてゆっくり常温に戻すという事だったが、温度管理が非常に難しく、中々量産できないという事であった。

それからは、出来上がった0.8φと1.6φの銀線を仲間で分け合い、CDプレーヤーやアンプのプリント基板の裏打ちにのみ使っていた。
それまでに何をやっても到達できなかった次元の音楽再生が出来る様になったのは言うまでもないが、機器の外部に使う程の量が確保出来なかった為、ラインケーブルやスピーカーケーブルまでトータルで銀線にした音をお客さんに提供できなかったのは、非常に残念であった。

書いていた本人すら忘れそうなくらい間が空いてしまい申し訳ないm( _ _ )m

何故、3ヶ月前に今更銀線の事を書こうとしたのか?だが、それはやっと自分自身が納得のゆく音質が得られたからである。
但し、私がここで表現している事は、機器の内部まで含めたトータルで「銀」という素材を生かした結果であるから、一部のケーブルを取り替えて得られる様な安直なものでは無い事をご理解戴きたい。

 

銀線についてその2

そうこうしている内に10年近くが経ち、偶然にも優れた熱処理会社と出合った事でDENTECの銀線は大きく変容する。
その頃には既にテフロン被服の0.8φと2φを量産しており、機器の内部を含めトータルで提供できる様になっていたが、今から思えば嫌な癖を取り切れてはいなかったのだ。

その会社の得意分野は以前とは全く逆の極超低温で処理する「クライオ」であり、それまでに無い大きなメリットが有った。
それは、熱に弱い被覆やプラグなどを取り付けた完成品の状態で熱処理出来る事である。

これにより、半田付けの急激な温度変化の影響も抑えられ、同時に樹脂系の部材にも音質上の好結果を齎したのだ。

しかし、口で言うのは簡単だが、音質向上を狙ったクライオ処理を行うのは容易な事ではなかった。
時間対温度のカーブ つまり温度管理の方法次第で結果は大きく異なり、下手をすると元より悪くなる事もあるからだ。
つまり、如何に銀線と言えども、生かすも殺すも温度管理次第であり、パイオニア精神旺盛な熱処理会社の協力無くしては到底完成の域に達しなかったと思う。

ところで、日本でオーディオに適切なクライオ処理が出来る事を発表した途端に、恰も自分のところが先にやっていた様な宣伝が目立つ様になった。
全くこの業界は節操が無い!時間を掛けて適切な温度管理を行ったDENTECにそれらが敵う訳は無いのである。
案の定、同一部材をこちらで処理した物と音質を比較したら全く比較にならない。
それどころか、元より悪くなっている物さえ有ったのには驚いた。
そうまでして目先の金儲けをしたいのか・・・音を聴かずに製品化しているのではないか?とも思えるほどそれは酷かったのだ。

2008年7月10日「銀線について」その3

他所の話をしても始まらないので、クライオ処理のその後を説明する事にしよう。

当初はノーマルなクライオ処理であったが、徐々に音質向上のノウハウが蓄積されてきた。
頃合をみて発表したのが、現行クライオ処理のSC(SuperCryo)である。

果たして、SC処理によって更に癖が少なくなった銀線は、正に異次元の音質となった。
ケーブルのみならず、機器内部にまでSC処理銀線を使ったDENTEC製品は、全く「音」を気にする事無く「音楽」に浸れる、口で言うのは簡単だが、これを実現するのは容易な事ではない。
例えば予算無制限で十分な時間が有ったとしたら、貴方はどんな機器やアクセサリーを選ばれるだろう?
専門誌で評判の良い現在最高と言われる機器を揃えられたとして、それは貴方を満足させてくれるとお思いだろうか?
答えは「NO!」である!
音を作って遊ぶオーディオマニアであれば、それで満足されるケースもあるだろう。
しかし、貴方が生演奏を愛する音楽ファンであればあるほど、再生装置の限界を知る事となり失望も大きい筈である。

それでは、貴方が失望した装置の問題点とは一体何だろう?
仮に貴方が生演奏を聴いていると想定したら、聞き手が動いて演奏者が一緒に動くなど絶対に有り得ない事である。
しかし、大半のオーディオ装置がこの不自然な現象を招いており、これがちゃんと鳴っているかどうかの判断基準となるのだ。

左右のスピーカーから聴き手までの距離や角度をミリ単位で調整するなんて話を時々聞くが、私に言わせれば、そんな事をしなければ聴けない事自体がまともに鳴ってない証拠なのである。

最新のDENTECなら、その辺へ適当にポンと置いただけでまともに鳴ってしまう 。

まともとは、そこで生演奏をやっている様にという事だから、当然音像は動かない。
例え左側のスピーカーの外から聴いても、右に有るべきものは右に真ん中へ有るべきものは真ん中へ定位する。
これは、MBLの様な無指向性スピーカーでは当たり前の事だが、普通のスピーカーであってもネットワークの調整や振動対策を行えばそうなるのだ。
これが、銀という素材を制したDENTECでなければ再現出来ない世界なのである。

部屋の癖がどうのこうの?これも特に関係ない。
生演奏を聴けない様な強烈な癖を持つ部屋なら話は別だが、私の経験上それほど酷い部屋に今まで出会った事はない。
スピーカーからの直接音に問題が有るから部屋の癖が気になるのであって、直接音がまともになれば部屋の癖など全くと言って良いほど気にならなくなるのだ。

2008年7月14日 銀線について その4

さて、如何に優れたケーブルであっても、新品を接続して直ぐに良い結果が得られる訳ではない。
皆さんが経験されている様に、本来の音となるにはエージングが必要なのだ。
いや、むしろDENTECの様に癖の少ないケーブル程、新品とエージング完了後の差が大きいと言えるのではないだろうか?
では、このエージングとは一体何だろう?

私は、電気信号を流す事により何らかの物性が変化すると解釈している。
クライオ処理を行う事で電子顕微鏡レベルの変化が現れる事は知られているが、電気信号による変化はおそらく目では認識出来ないであろう。
しかし、複雑な音楽信号を総合的に判断できる我々の耳では、それが天と地ほども大きな差と認識出来るのである。

では、SC処理後に電気的エージングの終了したDENTEC銀線ケーブルは、もう変化しないのであろうか?
その答えが、最近発表した「ULTIMATE」処理なのである。

スーパーの上だからウルトラの同義語であるアルチメットと名付けた訳だが、このULTIMATEケーブルは、@加工済みケーブル→ASC(スーパークライオ)処理→Bユーザーによる電気的エージング→C特殊クライオ処理→Dユーザーによる電気的エージングという複雑な過程を経て本来の音質となる。

つまり、ユーザーとメーカーが協力して究極のケーブルへと育てて行く訳であり、これは他に例の無い事ではないだろうか?
何故そこまで面倒な事を行うのか?・・・それは、出て来た音が誰も経験した事の無い音質へと昇華するからに他ならない。
正に「ULTIMATE」の名に相応しい音質となるのだ!

DENTEC CMSシリーズをご愛用戴いているユーザーへの恩返し、それがULTIMATE処理なのである。
当初はCの過程まで行い製品化する事を考えたが、時間をコスト換算すると相当な価格アップとなる為、現在の方法を思い付いた。
将来的には、数百時間のエージングを行う時間の無いお客様の為に製品化する事もあるだろうが、当面は現在の方法を続けたいと思う。

さて、肝心なDENTEC CMS「ULTIMATE」の音であるが、まず現在の装置にディジタルケーブル1本もしくはラインケーブル1組を接続してみれば、その威力はたちどころに解るだろう。
ノイズフロアーの低さには定評のあるCMSシリーズを持ってしても全く歯が立たない程それは凄い!
ボリュームを3ステップくらい上げたのか?と思うほど音圧が上がって聴こえ、全ての装置を入替えたと錯覚する程だ。
始めて聴いたユーザーは、おそらく0.8φの銀線が100φになったか?くらいには思うだろう。
それ程全ての要素で桁違いなのである。
私自身、未だにこの差を信じられないでいるくらいなのだから・・・

絶対0℃で発生するという超伝導・・・それはこんな音ではないだろうか?
そんな事を思いながら、生以上に生々しい音楽を楽しんでいる今日この頃である。


■終わり■

 



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