M様はオールチューニング・オール銀線化を実行された最初のお客様です。
しかも銀線は、素材のまま(当時は1.6φの裸線)80mも購入され、ご自分で綿糸を二重巻で振動処理されたという根性の入った人です。普段ならお断りする様な過激なチューニングも、彼の熱意についつい負けてしまい、引き受けてしまいました。
話を聞いてみれば、何でもスーパー7(英国製ライトウェイトスポーツカー)を購入する為に貯金した資金を、全てオーディオ機器とそのチューニングに当てるとの事です。
今から思えば、私も若かったのかも知れません。車で言えば、軽のボディーにF1のエンジンを載せる様な過激な要求を受けてしまったのですから。だれがこんな事をさせるんじゃーとブツブツ文句を言いながら、半年掛りで仕上げました。
愛 用 の 装 置 | スピーカー:ADVENT A1012/TUNED パワーアンプ:DENTEC MOS-FET MONO A-Class50W アッテネーター:DENTEC Original(UA1の原器) CDトランスポート:DENTEC Original (フィリップスCDM1リジットメカ) D/Aコンバーター:DENTEC Original (フィリップスTDA1541A) DAT:Nakamichi1000/TUNED 振動処理:DENTEC ST-BASE+FINAL玉砂利ベース |
音質の評価
基板の裏打ちまで含め、入り口から出口まで全て銀線という装置は、S/N抜群!正に異次元の音質です。
アーティストの息使いや奏法まで手に取る様に解り、一般的な高級機では煩く聞えてしまう多重録音のソフトが、いくら音量を上げても全く煩くなく、作った本人でさえ開いた口が塞がりません。
どんな高級機であっても、市販製品をそのまま使ったのでは限界があり、使う側の熱意がなければ到達できない、異次元の世界がある事を教えてくれる装置です。
by 藤本