2004/10/28
最近特に気になる事があるので、退職金について考査してみたいと思う。
世の中は団塊の世代と呼ばれる人々が、仕事からリタイアされる時代に入っている。
社会的にも重要なポストに付かれていた方々が職場をリタイアされ、子育ても終わり、これからの第二の人生でオーディオを楽しもうと来店される方が増えている
のだ。
職場で重要なポストに付かれ、忙しさのあまり一時休止しておられた音楽ファンの方々、人生の先輩方に対して忠告したいと思い、このコラムを書く事にした。
私は、血と汗と涙の結晶である退職金を無駄に使って欲しくはありません。
これからの人生を心の糧である音楽で楽しんで頂く為にも、苦しいオーディオという泥沼にだけは絶対に入らないで欲しいのです。
大金を使って揃えたオーディオ装置から「楽しむ為にある音楽が楽しめない」
こんな馬鹿な事があると思いますか!? しかし、現実には日本全国でそんな方々が急増しているのです。
では、何故そんな事が起きているのかを説明させて戴く事にしましょう。
端的に言うと、楽しめない装置となった原因は「予算の配分」にあります。
当然の事ながら、退職金の中からご自身が自由に使えるお金は限られている筈です。
その予算の大半を主要な部分スピーカー アンプ CDプレーヤー他に使ってしまい、振動対策やノイズ対策などのアクセサリーにまでお金が回らなくなった装置、それが音楽を楽しめない装置となっているのです。
それらのアクセサリーは、無くても「音」は出ます。
しかし、貴方が聴きたいのは、音ではなく心を癒す為の「音楽」の筈です。
アクセサリー選びを自分でコツコツとやるには相当な時間と体力と財力が必要であり、そのどれも無い筈の貴方は、結局正しい選択をしてくれる専門店を選ぶしか方法はありません。
つまり、知識の無い製品を自分で選ぶよりも、限られた時間を間違いの無い専門店探しに費やして欲しいと思うのです。
貴方が、長年汗水流して手にされた大切な退職金を使われるのですから、近いからとか、親切にしてもらったからとか、お世話になったからといった、音質に関係ない理由では絶対に購入しないで下さい。
貴方はもっと我がままにして良いのではないでしょうか?
何故なら、冷やかしではなく、今まで我慢してきた大きな買物をされようとされているのですから。
スピーカー アンプ CDプレーヤーといった主要部分を色々試聴して選んでも、周辺機器を適当な販売店任せにして良い結果が得られるのであれば、こんな事を私が忠告する必要はありません。
しかし、結果音質が貴方の想像を遥かに超えるほど大きく違うのであれば、そうではないでしょう。
目先の金儲けしか考えていない販売店にとって、貴方の様なリタイア組みは失礼ながら正に「鴨ネギ」なのです。
それは、その販売店が薦める製品を見れば解ります。
有名な評論家が褒めている製品を聴かせ、オーディオ雑誌に載っている評価をコピーした様に喋りまくり(決してそんな音は出ていない筈です)、さも知識がある様に見せかける。
思い出してみてください、そんな人が、貴方の経験された職場の周辺に何人も居た筈です。
オーディオ専門店であっても、決して例外では有りません。
もし、そんな店しか近くに無ければ、そこで買うなんて事だけは貴方の為にも今後の業界の為にも絶対に止めて欲しいのです。
いずれは、そんな店も自然消滅するでしょうが、貴方にはそれを待っている時間は無い筈です。
ならば、購入する前に出来るだけ多くの店を回って確かめるべきではないでしょうか?
是非、ご自分のCDソフトから、目の前で生演奏をやっていると錯覚する程の音楽を再生している店を探してください。
数は少なくなりましたが、お客さまの事(音質)を第一に考え、真面目に取り組んでおられる専門店は確実に存在します。
おそらく、そのお店は大きな値引き販売を行っていないでしょう。
何故なら、真面目に取り組む為には時間と費用が掛かり、安く販売できないという理由があるからです。
ですから、同じ製品であれば1番高いところで音を聴いてみられるのも1つの手段だと思います。
せっかく毎日が自由になられたのですから、例えば、オーディオ装置に掛けようとしている予算を少し割いてでも、全国の専門店回りをされてみたら如何でしょうか?
キーワードは、ご自分のソフトがどう鳴るかです。