藤本社長にはもう何回クリニックに来ていただいているでしょうか?
関東方面出張のときは本当にお世話になっています。
3年ほど前に他店で「デザインと評判で衝動買いしたN802」はあまりにも期待はずれな音でした。ホールの雰囲気・・楽器の音色・・演奏者の指や息使いなどは全く感じられず、感動する・・等と言うことからは程遠い音色でした。
当時、私の使っていた機器はスピーカー以外10万円前後という値段的にもグレードでも全く話にならないのは判っていましたが、「いや・・機器だけではなく何か根本的に間違っている・・」と思い、色々とネットで検索しているとサウンドデンのホームページにたどり着いたのです。
藤本社長のコラム等を読んでいると私が感じている疑問点がとてもわかりやすく解説されていて、早速メールで疑問をぶつけてみたところ、「クリニックに伺います」との返事でした。
「クリニック費用は取らない・・しかも広島からわざわざ・・社長はちょっと怖そう・・しかも怪しそう・・・」きっとクリニックを受けられたほとんどの方が感じた不安を私も抱き(笑)当日を迎えたのです。
そして早々に藤本社長が行われたのが振動対策で、その効果は絶大でした。
音の輪郭ははっきりしてくる・・聞こえなかった音が聞こえてくる・・・楽器の音質がとても良くなる・・・等と、一見何の変哲もないVESや、ST-BASEがなぜこんなに効き目があるのかが不思議で、「ここまで効果があるならば・・・」とデンテック製品を導入しようと検討していたところ、子供の急な入院や看病でオーディオどころではなくなってしまいました。
それから一年半ほどのブランクを経て再び、あの不思議な体験を忘れられずに藤本社長に再びメールをすると「あれからデンテック製品もかなり変わりましたよ」と伺い再びクリニックを受けたのです。
一年半ぶりに再会した藤本社長の印象もあのころ感じた「怖い、怪しい・・」も少しだけ薄れ・・・「これでよくなる・・良くしてくれる!」と期待へと変化していたのです。
まずはST-BASEをスピーカーに敷くと途端に音質はガラッと変わり、さらに電源をIPT1000へとつなぎかえると、今まで体験した事が無い様な・・背筋が「ゾクッ」とするような、とにかく雰囲気や気配が感じられるように変化。
そしてCDプレーヤをXA7ESチューニングモデルに入れ替えるとすべてがしっかりした音質に変わり、「入り口と出口をまずしっかりする・・・」と、ここでも藤本社長の言葉に納得!、次にケーブルをCMSへと繋ぎかえると、もう何と表現してよいか・・
詰まっていたものが一気に流れ出したと言う感じで中高音は繊細な音になり、今まできこえなかた音が聞こえるようになり「そうだ!、本当の楽器の音はこうだ・・オーケストラの楽器の位置が手に取るように判る・・・ホールの感覚だ」と感じるようになっていきました。
その日は機器をすべて貸し出していただき、それから数日間聞いていると中高音の濁りや団子状に聞こえる部分が気になり始め、それらのことを社長に報告すると、「スピーカーケーブルを変えてください」と送っていただいた物に変えると、とにかく「ああっ!、すべての原因はこれだ!」と思えるほどに気になっていたことがすべて無くなり「オーディオはトータルに使いこなしが必要」と藤本社長の言葉の意味が本当に理解、体験させられたときでした。
その後、UA-J1の導入ではボリュームの付帯音による音質劣化を体験させられ、さらに新作のVEBで奥行や繊細さはさらに向上、そしてアンプをLcAudioプレデターチューニングモデルに入れ替えると、なんと温かく、やわらかい音が出てきて、特にバイオリンなどの弦楽器は本当に一本一本の弦の響きがそのまま伝わってくるようでした。
しかし、どうしても最後まで気になったのがN802の高音から出る金属音の様な響きで、ピアノの高音、バイオリンの高音、女性ボーカルの高い声、管楽器、金管など、ボリュームを上げるとどうしても耳障りな音が気になり、こればかりは藤本社長も金属の振動版の癖はチューニングしても残ってしまう・・・と言われ、N802のチューニングはあきらめたのです。
その後、USHERの銀線コイルフルチューンスピーカーや、S1EXのノーマル、そして待望のS1EXフルチューンへと数ヶ月もかけて試聴させていただきました。
自分でも思いますが、とにかくわがままで、試聴に時間をかける客だったと思います。
ただ、どうして納得がいかなくそれに答えてくれたのが藤本社長でした。
とても感謝しております・・・今では「怖い、怪しい・・」なんて言えません!!
オーディオにスイッチを入れるたびに藤本社長に手を合わせ祈る思いです!!
話がそれましたが・・その後S1EXのチューニングもさらに進み、気になっていた低音の伸びもセーム革エッジで格段に良くなり導入を決めました。
S1EXの導入後に、「今度来るときはデジタルアンプDZPが出来上がったので聞いてみてください・・」ということで何となく了解の返事をしていました。
プレデターの銀線チューンを持っているのにこれ以上の差はないだろうと軽く考えての返事でしたが・・・その当日、「バイアンプで聞いてください」とDZPにつなぎ換え、アッテネーターの出力がひとつ足りないので視聴用TRC-Aを使いスイッチオン。
「おおっ!ベーゼンドルファーが本当に鳴っている」・・そしてピアノの音が何とも桁違いの生々しさで、ブレンデルの弾くベートーベンのトゥリルの指使いがこんなにもハッキリと鮮明に伝わってきたのは初めてで、演奏者の感情までもが伝わるような温かさ、ぬくもり、本当に生きている音でした。
「そろそろ渋滞につかまらないうちに帰ります・・とりあえず全部おいていきますよ・・」
と、有難いような、嬉しいような・・とっても迷惑なような・・、とにかくやられました。
しかも、私のUA-J1の隣には堂々と光り輝くTRC-A・・「カッコイイ!!」「欲しい!!」「藤本社長間違ってUA-J1もって帰ってくれないかなぁ・・」と、都合のいい想像もしたりして・・・、結局DZPはもちろんTRC-Aまでも導入することに。
ここでもまた藤本社長には大変わがままを言いましたが・・・・・・。
私は幼少時からピアニストの親父にスパルタで音楽を叩き込まれ、音楽=「痛い、辛い、怖い・・」、といやな体験を味わい、それから何とか逃げたく、とりあえずピアノから管楽器に専攻を変えたのです。
そのときにレッスンを受けた先生には各大学のレッスン室や、各小ホール、大ホール等と通常では受けられないような場所でレッスンを受けさせていただき、そのホールや場所によって違う音の響き、演奏する側と聞く側の違いなど、今思えば非常に貴重な体験、経験をしたと思います。
今では音楽から離れましたが、そのとき味わったいろいろな感覚が懐かしく思え「良い音楽を良い音で聴いてみたい」と、オーディオを揃え始めたのです。
私のようにバイアンプの仕方すら知らない者が「生の音は耳にしっかりと残っている」、「本当の音であの演奏を聴きたい」と思っている方はいっぱい居ると思います。
サウンドデンの宣伝をするのではありませんが、一度相談、体験なされるのもひとつの手段かと思います。
不思議な体験をできますよ・・・ついでに「怖い・・怪しい・・」・・・も。(笑)
藤本社長にはこれからも末永くよろしくお願いいたします。
本当にIさん宅へは何回伺ったのか解かりません。
音楽家一家で育たれ、生の楽器の音を身近に体験されている訳ですから、一筋縄で行く筈もありません。
最初にお伺いした頃のテクニックでは、恐らく今ほど満足して戴く事はなかったでしょう・・・
だから、今では時間が掛かって良かったと思っています。
その間にCMSケーブル・TRC-A・IPT1000An・S-1EX/DENTECと開発出来た訳ですから・・・
Iさんがお付き合い下さった事で、今までやって来た事に間違いは無かったと、大きな自信が生まれました。
本当にありがとうございました。
By 藤本